Amazon Q Business がスキャンされたPDFのインデックス化をサポートしました

Amazon Q Business がスキャンされたPDFのインデックス化をサポートしました

Clock Icon2024.07.14

こんにちは、森田です。

以下のアップデートで Amazon Q Business がスキャンされたPDFのインデックス化をサポートしました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2024/07/amazon-q-scanned-pdfs-embedded-images-documents/

さきにまとめ

以前までは、スキャンされたPDFをインデックス化したい場合は、事前に Amazon Textract 等を使って OCRを行い、テキストファイルに変換する必要がありました。

今回のアップデートによって、スキャンされたPDFであっても追加作業なしでデータソース同期を行うだけでインデックス化できるようになります。

ちなみに現在(2024/07/14)時点は、Kendraでは同様の機能は提供されていません。
https://docs.aws.amazon.com/kendra/latest/dg/index-document-types.html

やってみた

実際に、スキャンされたPDFで問題なくインデックス化できるかを試してみます。

PDFファイルの準備

今回は手書きの文字が含まれた以下のようなPDFを利用します。

名称未設定のデザイン (14)

PDFファイルについては、S3バケットへ配置します。

img_1

ちなみに、このファイルをKendraで読み込みを行うと同期に失敗します。

エラーメッセージ
{
	"DocumentId": "s3://バケット名/taro.pdf",
	"IndexName": "pdf-test-index",
	"IndexID": "4101d720-da9d-4f03-ac95-2664f931087b",
	"SourceURI": "https://バケット名/taro.pdf",
	"IndexingStatus": "DocumentFailedToIndex",
	"ErrorMessage": "Document cannot be indexed since it contains no text to index and search on. Document must contain some text",
	"ErrorCode": "400"
}

Amazon Q Business アプリケーションの作成

AWSコンソール上から Amazon Q Business アプリケーションの作成を行います。
基本的にデフォルト値のまま進めて問題ありませんが、Retrieverについては、 native retriever を選択するようにします。

img

データソースについては、Amazon S3を選択し、PDFの配置されたS3バケットのパスを入力します。

img

最後にWEBアプリケーションから動作確認を行うため、ユーザの追加を行い、アプリケーションの作成を完了させます。

img 2

データソースの同期

では、S3バケットのデータソースの同期を行います。
同期については、しばらく待つ必要があります。

img

しばらく待つと、 Status が以下のように Completed となりました。

img

WEBアプリケーションからの確認

では、正常にインデックスに追加されたかをWEBアプリケーションから質問することによって確認してみます。
アプリケーションから以下の質問文を送信します。

質問文
Tell me what you know about Taro.
(太郎について知っていることを教えてください。)

すると、以下のようにPDFの内容を使って回答をしてくれました。

img_4

回答
Based on the information provided in the data source, Taro is an AWS specialist and also a mountaineer. 
No further details about Taro are provided in the given data source.

上記の結果からも問題なくインデックス化できていそうですね。

さいごに

スキャンされたPDFをサポートしたため、今まではインデックス化を諦めていたドキュメントでも、もしかすると利用できる可能性があります。

また、現在は、スキャンされたPDFは、Amazon Q Business のみでのサポートですが、今後Kendraでもサポートしてくれることを期待しています。

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